北陸研修旅行 第一日目
渡辺 陽之輔
6月5日午前9時、羽田空港第2旅客タ-ミナル#4時計の下に、3回目となる「北陸研修」に現地参加2名を除く12名が集まった。 
風邪気味と聞いていた会長の佐藤さんも元気な顔で、何時も爽やかな風を「三八会」に吹き込んでくれる紅二点の岐部さん、新井さん、そして口だけは益々達者な「三八会」の面々を仕切る名幹事の石塚さんが貴重品、権利書、大金などが入っているらしいバッグをシッカリ抱え全員を待っていた。 

羽田から約一時間、残雪の白山連峰を眼下に眺めて11時過ぎ小松空港に到着した。
今回の研修を計画し細部まで実地確認の為に飛び回ってくれた金沢在住の川崎さん、それに広瀬さんと空港で合流し、総勢14名の「北陸研修」が始まった。

研修会初日の旅程は、「東尋坊」→「滝谷寺」→「芦原温泉」泊だ。
「三八会研修旅行」のポスタ-がついたバスに乗り込み東尋坊に向かう。

幹事の石塚さんが「忘れ物とか間違いは無い?」と岐部さんにバスの中で質問しているのを小耳にはさんだ。「何?なにか事件でもあったの?」・・後部座席の高橋さんに聞くと、羽田空港で岐部さんから渡された搭乗券が彼女の名前のチケットで、高橋さんも「マイル」の手続きをしようとした時に始めて間違いに気付いた・・が事件の真相らしい。

もの忘れが激しくトラブルだらけの我々と違い、何時も冷静で間違いなどとは無縁の世界の住人の岐部さんにしてこの出来事あり。我々はホッとしたり安心したりだった。岐部さんは事の真相を明るく語っていた。 
毎回なにかの事件がが起こる三八会研修旅行のハプニング第一号!?
「三日間の旅行中、忘れ物等に気をつけよう」と石塚さんが出発に際しアナウンスすると、皆ニヤニヤ。

バスの後部座席は、川崎さんの差し入れの元気の素:名酒「越の寒梅」で盛り上がり、一挙に宴会(練習)モ-ドに突入した。
早くも宴会モードの後部座席(*)
  
            昼食は東尋坊のヤマニにて→
外は眩しいばかりの新緑、北陸特有のニホンタンポポが咲き、田植えが終わった田んぼの上を緑の風が吹き抜けていた。バスにゆられ良い気持になっているうちに東尋坊に到着した。
食前酒(?)も効いてきたし景色を見る前にまずは昼食タイムだ。
新鮮な魚が美味いと評判のレストラン「やまに」に入り「お品書き」を見る。
お勧めの料理は、えっ!5千円、次は3千円! 適当な値段のものがない。これは大変!酔いも一挙に醒めて全員真剣に討論。
川崎さんの発案で品書きには無い、1500円の「三八会」メニュ-を特別に作って貰うことになった。待つほどに「三八会さま特別料理」が運ばれてきた。
東尋坊沖から水揚げされた魚の刺身は新鮮で美味い、特にカレイの唐揚げは美味かった。品数も期待以上。
充分に満腹・満足の料理だった。

食後は腹ごなしも兼ねて名勝東尋坊を散策した。
海中からそそり立つ高さ25m、長さ1.5Kmに及ぶ断崖絶壁に日本海の荒波が打ち寄せる。
天然記念物の東尋坊はまた自殺の名所でもあるらしい(「東尋坊」の名前の由来は、ここから突き落とされた平泉(勝山)の僧侶の名前によるとのこと)
しかし今日は波静か、気温30℃の晴天下での、岩の登り下りで皆汗びっしょりになった。夕陽が沈む時は美しいだろうなあ〜。思い思いの景色を脳裏に写真に収める。
カメラマン早川さんが絶景をものにしようと最後まで粘っていた。
もう酩酊状態? 岩場から落ちねばよいが、、、
名勝 東尋坊
冷房の効いたバスに戻り一息入れ、時間があるので対岸の雄島に行く事になった。
ふつう観光ツア-では通り過ぎてしまうポイントらしく、岐部さんが是非と思っていた場所らしい。
224mの朱塗りの橋を渡ると、波に浸食された荒々しい岩肌の「東尋坊」が対岸に見えた。元気な女性陣と一緒に、野中、高橋、広瀬、小野山、深作、進藤、山田の男衆も三々五々、景色を楽しみつつ歩く。島の中央の階段を登った山頂のタブ林の先には、東尋坊と対峙する形で「白い灯台」がそびえていた。
東尋坊や雄島のある三国町は、昔から越前の物資の集散地で、江戸時代は、北前船の中継地だったと川崎さんが説明してくれた。
おしまばしから東尋坊を望む(*)
ロマンチックな白い灯台
バスに戻り、えちぜん鉄道三国芦原線の小さな踏み切りを通り抜けて、滝谷寺(たきだんじ)に移動した。
越前には訪れてみて、初めて得心する、立派な寺や名勝・庭園が多いように思う。
1375年創建になる寺の鐘楼門に到る参道の両側には、樹齢600年の杉が鬱蒼と生い茂っていたらしい。 
戦国武将の朝倉、柴田など越前歴代領主の祈願所で、鐘楼門は柴田勝家の寄進とのこと。
庭園も素晴らしい。観音堂の蟇股の彫り物は、左甚五郎の作と伝えられている。
国宝、重要文化財など見所も多く、時間が短く感じられた充実の参拝だった。
雨に濡れると青みを帯び美しい色になるらしい「笏谷石」の敷石を歩きながら、各人の心に何かが響いたであろう
北陸屈指の名刹滝谷寺の、静かな佇まいではあった。
滝谷寺の参道を上る(*)
観音堂の彫り物
今日最後の目的地「芦原温泉」に向かう。 周りは見渡す限り田んぼ。田んぼの中の有名温泉地です。
明治16年灌漑用にと農民が井戸を掘っていたら温泉が湧いてきたのが発祥とか。
バスは旅館「まつや千千」へと到着。
ここを推薦したのは広瀬さん。しかし芦原温泉の随一のこの高級旅館は、値段も超一流なのだ。
「三八会」の質素が条件の研修会予算内には果たして収まるのか?
川崎さん、石塚さん、それに会長の佐藤さんまでがいろいろ頭を悩ませたらしい。 
意外にも旅行社から出てきた見積もりは予算内だったが「何かの間違いではないのか?あとで追加料金がっぽり取られるのでは」最後の最後まで疑い悩んだという。

噂に違わず豪華な設備、早速大浴場へ。入浴前に温泉タマゴを仕込み、湯上がり後にそれをピックアップ、
また茶室で抹茶を一服などサービスもさすが行き届いている。

やがて「心は滝谷寺」で、「身は芦原温泉の湯」で綺麗に清めた善男善女14名が、夕食時にの宴会場に勢揃いし、第一夜の宴が開始される。
「献立」表に従い、「日本海の恵み」「酢の物の王道」「東尋坊を眺めて」など枕言葉のついた料理が次々出てきてみな満足の笑顔だった!
しかし、川崎さんと会長は「本当にこの献立表通りに料理が出てくるのか?」などヒとソヒソ話。
未だに激安の旅館代が信じられない様子。


勢揃いした善男善女14名 (**)
宴会が始まるとすぐについさっき起こった衝撃?のハプニング「早川パンツ事件」の話題が沸騰する。
早川氏ゆったりと温泉を堪能し、脱衣所に戻ると「あれ?おれの脱いだものがない」
裸のままうろうろするも見つからない。
結局、係の人に借りた浴衣をすっぽんぽんの体に羽織り急ぎ部屋に戻って着替えたという。
このショック察するに余りある。同じ年格好の宿泊客が多いから、明日は我が身。
否、明日は他人のものを間違えて着てしまうことだって大いにあり得る。

とにあれ、川端康成、与謝野晶子も訪れた「芦原温泉」を締めくくりに、初日の「三国路」を思いっきり堪能、
満喫した。此処に泊れたことに感謝します、「関係者の皆さんありがとう!」だ。
明日に備えて早めに引き上げた部屋からは、道路の向こうを走る「三国芦原線」の線路が月の光に鈍く光って見えた。


                     写真撮影:渡辺陽之輔、佐藤幹郎(*)、川崎常元(**)








(*)