小田原城をバックに
今月は、石塚さんの企画で、平成の大改修を終えたばかりの日本100名城の一つである小田原城を見学、その足で近くの早川漁港まで足を延ばし、美味い魚を食おうというもの。
梅雨の季節で、前日まで雨が降り続いていたが、6月14日の当日はほぼ快晴となる。皆さんの心掛けの良さが天に通じたのであろう。
はるばる関西から野中さん、それに熊本の地震被災地から引き揚げた柏木さんが久しぶりに顔を見せ、計11名が小田原駅に参集した。
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小田原駅を出発 歩道の絵
案内人の石塚さんを先頭に、予定通り9:30に駅前を出発。歩道には昔を偲ぶ絵がはめ込まれている。
これは鉄砲を担いだ警護の侍を従えた身分の高い人物を描いたものであろう。
小田原城趾公園には小田原駅に近い「北入口」から入る。これは石塚さんが、小生も含め、寄る年波で歩行機能の衰えが目立つメンバーに配慮したコースを採ったものと思われる。
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北入口から天守閣方向に進む
入口を進むと、やがて松の巨木が並び、その根元には今を盛りのアジサイの花が、そしてさらに進むと装いを新たにした小田原城の天守閣が見えてきた。
しばらく行くと、先導の石塚さんが突然右に曲がり、「ここに寄ってく」と。
なんとそこはこども遊園地だった。平日のせいか全く子供達の姿はなく、暇そうにしていた係のおじさん達が
声をかけてきた。
「豆汽車はどうですか。安いよ、一回80円だよ」
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思わず皆そさくさと小さい車両に身をかがめて乗り込んだ。
70年前に戻った面々
新緑の中にアジサイが咲くコースを2周してくれた。ちゃんと小さな踏切もあった。みんな子供のような顔に戻って満足そうだった。
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アジサイの中を行く 小さな踏切
こども遊園地を出るとき、すぐ近くに小田原城の天守閣が見えた。改修された姿が青空に映えて美しい。
小田原城天守閣(裏手)
順路である報徳二宮神社へと進む。ここはかの有名な小田原の偉人、二宮金次郎(後に尊徳)が祀られている。
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二宮神社入口 何を祈るかお詣りをする面々
厄年早見表の前では、小野さんが自作を披露。これを聞いて、しみじみと自分の年齢を考えさせられた。
二宮金次郎の銅像
この神社に祀られた二宮金次郎の銅像の前にやってきた。小田原に生まれ、14才で父を亡くし、家や畑を失い
一家離散の憂き目に遭うが、10年間荒れ地を耕し、立派に一家を再興した人物だ。厳しい労働の間も勉学を忘れず、刻苦勉励の象徴として多くの学校にその像が建てられた。
誰かが言った。
「最近、歩きスマホの問題もあり、歩きながら本を読むのは危ないから、子供の教育に良くないというので、座って本を読む像に変えた学校が多い」と。 喜ぶべきか悲しむべきか。
二宮尊徳翁の銅像
次は長じて二宮尊徳と号し、小田原藩士の服部家に仕え、数々の財政再建プロジェクトを成功させた頃の姿が再現されている。銅像のそばには尊徳が言ったという
「経済なき道徳は戯れ言であり、道徳なき経済は犯罪である」
と書かれている。
格差問題で現在まさに世界が資本主義の限界を危ぶむ中、160年以上も前にそのことを予言していたかのような名言である。
南曲輪南堀を巡り、水面を眺める
二宮神社からほどなくお堀のそばに出る。ハスの花がちらほら見えるがまだ蕾の状態だ。向こうには大正天皇が皇太子時代に訪れ、その美しさに感嘆したという「御感(ぎょかん)の藤棚」が見えた。
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咲き誇るアジサイ 天然記念物のイヌマキの巨木
アジサイやイヌマキの巨木を見ながら、東堀にある花菖蒲園へ向かう。6,000株の花菖蒲が咲き揃うにはまだ一足早かったようだ。
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花菖蒲園を歩く 向こうには赤い常磐木橋が見える
常磐木橋の上から
常磐木橋を渡り、小田原城天守閣へと向かう。橋の上からいま来た花菖蒲園が見下ろせる。
花菖蒲が満開になると斜面に咲くアジサイとの競演がさぞかし素晴らしいだろうなと想像する。
常磐木門
橋を渡ると、常磐木門で、ここをくぐると小田原城本丸へと入る。
石塚さんから「天守閣にはエレベータなどはないから、足で昇らなければならないけど、どうする?」
との問いが出るが、昇ることに同意する声は聞こえてこない。どうやら健脚を誇る皆さんも大分歩いて少し疲れてきたようだ。
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武具甲冑展 北条一族を語り合う
常磐木門を入り左側の展示室で北条五代と武具甲冑展が行われていたので、これを見ることにする。
折しもNHKの大河ドラマ「真田丸」が、小田原城を舞台に北条家滅亡の場面にさしかかっていることもあり、皆で熱心に見学した。
北条の当主たちが着けた甲冑
昔の衣装を着けた観光ガイドたちと一緒に集合写真を撮り、再び常磐木門をくぐり、二の丸へと向かう。
お堀にかかる学橋を渡り、小田原城に別れを告げた。
東堀から二の丸隅櫓を望む。桜の季節には絶好の撮影スポットとか。
つぎの目的地「ういろう」本店に向かう途中、小田原市立三の丸小学校の前を通る。小田原城に隣接しているためか、校舎のデザインが小田原城そっくりである。皆感心する。
小田原名物「ういろう」を売るういろう本店に到着すると、ここも小田原城と同じデザインなのに、一同びっくり。
外郎(ういろう)家は室町時代から続く神奈川県では最も古い店で、今も薬とお菓子の製造を行っていて、薬とお菓子の販売を同じ店舗の中で行っているところがユニークだ。
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ういろう本店 薬の売り場で冷やかす連中
名古屋名物にもういろうはあるが、こっちが本家本元の銘菓「ういろう」
ういろうを出て、次の目的地小田原文学館へと向かう。石塚さんから「ここは中には入らず、足休めの休憩の場所にする」とのとのこと。小田原にゆかりの深い、北村透谷、尾崎一雄、谷崎潤一郎、北原白秋などの資料が展示されているそうだ。一度じっくり見たいものだ。綺麗に整備された庭が無料で開放されており、アジサイを眺めながら芝生の上で一休みする。
それにしても、梅雨を感じさせない、爽やかな風に吹かれて幸せな気分になる。
小田原文学館にて
一休みの後、最後の目的地早川漁港に向け出発する。美味い魚で昼食兼一杯の予定だ。
15分ほど歩き、港近くを流れる早川の岸辺に到着。この川の河口に早川漁港がある。
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早川の流れ 早川と漁港を眺める
早川漁港に着くと、お目当ての「魚市場食堂」に直行。魚市場といっても正式には「小田原市公設水産地方卸売市場」という長ったらしい名前である。魚市場食堂はこの市場の二階にあり、基本的にはこの市場の仕事に従事する人や、ここに水揚げする漁師さんたちの食堂なのだが、安くて美味いとの評判が立ち一般の客にも開放されたということだ。
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市場の入口から二階へ 下は市場の作業場
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すでに長蛇の列 ほとんどが観光客など一般の人のようだ
一瞬「えっ」と思うほどの人の列が出来ていた。
石塚さんが狭い通路に並ぶ人の列をかき分け「予約してあるから大丈夫」と先に進む。
かなり長時間並んでいるのだろうか、「お前ら何で先に行くのだ」と言わんばかりの視線を感ずる。