佐藤 幹郎

雪と寒さに五ヶ月間も閉じこめられる北海道に住むものにとって春の到来は待ち遠しい。
とくにはっきりと春の兆しを告げるものを見つけたときは嬉しいものだ。

ご当地では福寿草、フキノトウより早く春を告げる草花がある。
キンポウゲの仲間のアズマイチゲという花だ。

三年前、まだところどころ雪が残る枯れ草の中にひっそりと可憐に咲き出す白い花を見つけたときは
自然の営みに驚き感激したものだ。
以降、三月も末になると、近所の川の堤防の土手に、もしや今日あたりアズマイチゲが芽を吹いては
いないかと、寒くて億劫な散歩にいそいそと毎日出かけてゆくことになる。

   

ところがである、数日前堤防へ出かけてみると大がかりな工事が始まっていた。
法面に大量の土砂を被せている。
今年の春もご対面を楽しみにしていたアズマイチゲもあえなく土の中に深く埋もれてしまった!


   


工事の看板を見ると「外質的補修工事」とある。
乗用車がすれ違うことが出来る立派な舗装道路が走っている堤防に何で補修が必要なのか?
工事をしているのは北海道開発局だ。

道や市町村と業務や人員が重複する巨大な国の出先機関。
小泉改革で真っ先に縮小の槍玉に挙げられたのに、いまだ6,000人を越える職員を抱える。
組織を守るために、発電量が風力発電一基分しかないダムを造ろうとしたり、ヒグマやキツネしか通らない
山奥の道路に歩道をつけたり、、、、、

知る人ぞ知る。北海道は農業・漁業・観光が主力産業といわれるが、実はこの開発局の旗の下全就労人口の
一割以上が土建業で飯を食べているのだ。
大地が凍てつくこの時期に敢えてこんな工事をやっているのも失業対策だろう。

話がそれたが、北海道はこれからどうなるのだろう。若い人は大変だ。

アズマイチゲに会えなくなった老人の繰り言。