北大研究林を訪ねて
佐藤 幹郎
苫小牧市の市街地に接して北大の研究林と研究施設があります。
約2,500ヘクタールの広大な森は一般の人にも開放され、散歩やバードウオッチングの場所として親しまれています。
この中にある森林資料館というのが月一回だけ公開されるというので行ってみました。

森林資料館
森林資料館は北海道に生育する樹木とそれから作られる製品、森林に住む鳥獣類などが展示されています。
二階建てのこじんまりした展示場で、研究用の標本が主体ですが、一般の人が見ても分かりやすい展示がされていました。見学しているひとたちは小生と同年齢か先輩と思われる方が多いようです。
大木から灌木までその種類の多さにはちょっとびっくり。
中には樹齢683年というのもあり。
森に住む動物たちの標本
絶滅したオオカミの剥製
タヌキ、キツネ、ミンク、テンなどの毛皮
野鳥の標本
製材された木材の標本
これらから作られた家具
酒樽など
スキー
センノキ、ヤチダモ、アオダモなどの野球のバット材
江戸時代に使用された木製の水道管と継ぎ手
木炭の標本
森林資料館の見学を終え、研究林をすこし散策してみました。
文字通り緑したたる状態になるのは6月になってからのようです。入り口で係の人から「冬眠から醒めたばかりのクマに注意して下さい」とのアドバイスあり。

入口にはクマに遭遇したときの注意事項が書かれた看板と現在クマが出没している場所を地図上に表示した「ヒグマ出没情報掲示板」というのが大きく掲げられています。
クマに出会ってしまったら「目を合わせたまま後ずさりして逃げる」と書かれているが、実際そんな行動がとれるひとがいるのだろうか?などと思いながら樹木園の入り口から入りました。

研究林の入り口にあるクマ注意の看板
森に入ってゆくと研究用の樹木が種別に整然と植えられています。
しかし、ぶらぶら10分ほど歩くと周りの風景が変わってきます。縦横に川が流れ、池が点在する原生林に
突き当たります。
風が渡る森の中に、水の流れる音や小鳥の声が聞こえ実によい気分です。
木々の葉が茂り、緑の匂いがする季節になったら森林浴が楽しめてもっと良いことでしょう。


森の中を流れる川
マガモの夫婦
水芭蕉が群生する池
しかし、あまりにも周りに人気がないので、森の中からのっそりとヒグマが出てきても不思議ではない雰囲気です。
途中で奈良から来たという老夫婦に出会い一緒に小鳥を見て回りました。
名前を聞かれても分からないのが一つありましたが、家に帰ってから調べてみたらコガラという鳥でした。

ノビタキ
コガラ
ゴジュウカラ
最初に書いたようにこの森は苫小牧市の山側の住宅地に隣接しています。
クマの出没は危険ですが、こんな森を自分の庭のようにできるなんて、なんとも羨ましい話です。
駐車場にもどり、改めて眺めてみると実に遠くから来ているひとの多いことに気づきました。
奈良ナンバーは先ほどの老夫婦の車でしょうか。この研究林をインターネットで知ったと言っていました。
最近の老人パワーというか、その情報収集力と行動力に驚きながら家路につきました。
すっかり緑の森になった時にまた来るつもりです。