新横浜ラーメン博物館
佐藤 幹郎
仕事で上京したが、先方の都合で一日空いた。
さてどうしようかな。と考えていたら、たまたま宿泊したホテルのフロントに
「ご希望のお客様に、新横浜ラーメン博物館の入場券差し上げます」
とある。 これは、ラッキー! 

以前に博物館の入口まで行ったことがあるが、入場料300円と言われて引き返したことがある。
人間の心理は不思議なもので、こちらに住んでいときは、いくら全国選りすぐりの美味いラーメン屋が並んでいたとしても、+300円出すのはいかにもコストパフォーマンスが悪いと考えていた。
今回は、もうここの土地の人間ではない観光客気分に加えて、入場無料となれば行かない手はない。

新横浜駅で降り、横浜国際競技場方面に向かう。
ゆっくり歩いて、約10分で博物館に到着。

現在、横浜市民であれば入場無料のキャンペーンを実施中。
ラーメン博物館は地上一階、地下二階の非常に特殊な建物になっている。
一階はラーメンに関する情報満載のコーナとラーメンとラーメン関連グッズを販売するショップがある。
製麺の実演もあるらしいが、この日はやっていなかった。

上は一階にある、ラーメンどんぶりのコレクションとカップラーメンの歴史を過去実際に発売された製品を並べて展示してあるコーナである。他に、チャルメラのルーツを世界中から類似の楽器を集めて、分析、推定するコーナもある。

さて、いよいよラーメンを食いに地下のフロアに降りて行く。
ここで、この博物館がなぜ地上一階、地下二階という特殊構造になっているかが理解できる。
地下二階は地下一階中央部分を貫通する吹き抜けになっており、地下一階部分はこの吹き抜けを取り囲むように、地下二階部分を見下ろすように作られている。
そして、この地下一階、二階に「昭和三十三年の夕暮れの街並み」が再現されているのだ。

上は地下二階部分の商店街(鶴亀町なる名前がついている)、広場には綿菓子やラムネを売る露店がある。
地下一階部分は、住宅街と飲食街に分かれ、カクテルやコーヒーが飲めるカフェバー、駄菓子屋「夕焼け商店」などがあり、紙芝居のおじさんが現れたりする。
懐かしい時代にタイムスリップした街並みのなかに、八軒のラーメン屋が巧みにはめ込まれているという演出になっている。
全部で八軒あるラーメン屋のどの店に入ろうか?
全ての店に、ミニラーメン(半ラーメン)があり、二、三軒はしごする食べ方があるらしいが、さすがにこの方法はパス。
一番混んでいない、岩手県久慈市から出店している「千草」という店に入る。
「お宅だけどうして空いているの? 行列ができてる店もあるのに」
「うちはスープは鶏ガラのみ一種類、麺も昔ながらの極細麺なので、直ぐにできちゃうんです」
「お奨めは?」
「超あっさりを売り物にしているので、コッテリ系が好きな人には、カツラーメンというのがありますが」
「ラーメンにミニカツ丼が付いてるやつかい?」
「いえいえ、ラーメンに揚げたての豚カツを載せてあります」
カツカレーなどはあるが、カツラーメンというのはあまり聞いたことがない。珍しい。
ということで、カツラーメンを注文。

かりっと揚がった厚手のトンカツにあっさりスープをふりかけながら、カツと麺を交互に食う。
カツラーメン初体験でしたが、美味で満足。 1,000円也。

横浜市民の方は、12月29日まで入場無料(証明するものが必要)、年末の買い物の際にでもふらりと寄るのも一興。
300円出しても、Back to the 昭和三十三年は十分楽しめます。

帰りに、50メートルほど先にある鳥山川の川岸にある新横浜駅前公園を腹ごなしの散歩。
広い遊歩道、程々の芝生、木陰、ベンチ、車の喧噪が意外にもほとんど聞こえないなど、穴場でした。


                                                                     以上