北海道紅葉紀行
2003/10/12 佐藤 幹郎
今年の北海道は冷夏の後、気温が上がり、秋が一月遅く到来した感がある。
この影響で紅葉の見頃が例年より遅れているらしい。
北海道の紅葉の名所といえば層雲峡、登別、阿寒などが有名だが、あえてこれらを
避けて地図に示す三ヶ所を訪ねてみた。
延べ二日間、先月の十勝沖地震の余震に怯えながらの約700kmのドライブであった。
日高樹海ロード
日高町から日高山脈を越えて十勝平野に至る日勝峠(標高1,022m)の日高側は険しい地形もあって、未だ人手が入らない原生林の樹海が続く。
九十九折りの峠道を進むと360度紅葉のパノラマが楽しめる。
多様な紅葉樹の色が、日差しの角度でさらに多彩さを増幅する。
日高樹海ロード(5合目付近)
樹海ロードを登り切って、トンネルを抜けると日勝峠、眼下には色彩の乱舞から一転、緑の牧草地が連なる十勝平野が広がる。
日勝峠展望台より清水町方面を望む
然別湖
この峠を下りて緑の平野を走ること約50km、然別(しかりべつ)湖は北海道の屋根といわれる大雪山国立公園の南端に位置し、標高約800mのところにある。
北海道で一番高い所にある湖で、冬の凍結がもっとも早く、解氷がもっとも遅い寒さの厳しいところです。
周りを囲む山々には、北海道を代表する針葉樹や多様な苔の森が広がり、エゾシカ、エゾリス、をはじめクマゲラ、エゾモモンガなど、様々な生き物達の貴重な生活場所となっている。
湖に上ってゆく道路でキタキツネに出会う。
多分、観光客が餌を与えるために昼間から堂々と出没するのであろう。
道路に出てきたキタキツネ
北海道は少し田舎に入ると野生の鹿などの動物が道路に出てくるため、車のライトを
点灯するよう指示した標識をよく見かける。
然別湖の湖畔に到着。
ここは湖岸に下りられる範囲が狭いので、紅葉鑑賞には遊覧船に乗るのがベストだが、
その時間がなかったのと、やや、風があり、紅葉が湖面に映える様子が見られな
かったのが残念だった。
それでもその絶景は十分に堪能できた。
然別湖
オンネトー
オンネトーはアイヌ語で「古い沼」という意味だそうでだが、別名「五色沼」とも
呼ばれる小さな湖である。
阿寒からほど近い足寄町にあるため、観光地としては阿寒の陰に隠れた存在となって
いてあまり有名ではないが、俗化した阿寒に対し、その神秘的な自然さが保たれ
ている点で最近また注目を浴びている。
湖に弱酸性の温泉が湧き出していて、その成分が独特の湖水の色を示す原因と言
われており、季節、天候により湖水の色がめまぐるしく変化する。
五色沼の別名もそに由来する。
訪れた日はウイークディにも関わらず、特にカメラを携えた人が多い。
狭いながらも、湖畔を周回する道路があり、湖岸まで下りられる個所が比較的多い。
しかし、好いアングルの場所は三脚で占領されていて場所取り競争が結構厳しい。
皆風が静まって湖面が鏡のようになるのを待っているようだ。
雌阿寒岳、雄阿寒岳と山麓の紅葉を映すオンネトー
オンネトー独特の湖水の色
アイヌの人たちは自然の中に神の存在を信じ、また石川啄木は
神のごと遠くすがたをあらはせる阿寒のやまの雪のあけほの
と詠んだ。
原生林の中にひっそりと佇み、雌阿寒岳と雄阿寒岳を並べて映し出す小さな湖を見ていると
私も何となく神を感ずるような気持ちになってきた。
→トップへ戻る