稲葉さんを偲ぶ
                (文と写真)佐藤幹郎

稲葉さんとは一緒に仕事をしたことはないが、妙に気が合いゴルフや麻雀によく誘っていただいた。

ゴルフに行くときはたいてい麻雀メンバーが集まり、ゴルフが終わった後に麻雀をするのだが、ぬけがけを防ぐためか、朝、稲葉家に集合して、稲葉さんの車に全員が乗ってゴルフ場へ向かうのがルールとなっていた。

稲葉さんのホームコースは辺鄙な山奥のゴルフ場であったが、帰り道にある何軒かの
麻雀屋をちゃんと知っていたのには驚いた。

あるとき、稲葉さんがゴルフの握りで大負け、その後の麻雀でも負けると、お冠となり、
「俺は先に帰る」とさっさと一人で車に乗って帰ってしまい、ゴルフ場近くの山の中にある麻雀屋に置き去りにされた三人が困ってしまった思い出がある。

本社で机を並べるようになってからは、「会社の昼飯はまずい」ということで、二人でたびたび外に出かけた。行きつけの店は、浜松町駅のホームにある「ホームラーメン」とい電車の乗客が飛びこみで食すような店だった。


 浜松町駅にあった「ホームラーメン」

「ここはホームの中にあるが、立ち食いではない。ちゃんと座って食えるから、俺は気に入っているんだ」と言っていた。

冷凍した茹で麺をお湯の中で溶かすだけだったから、かなり柔らかめの食感だったが、
小、中学生の頃お袋と買い物に行ったときに一緒に食べた「釧路ラーメン」を思い起こさせ、小生も気に入って二人でよく出かけた。
二人とも、すりニンニクをたっぷりかけて食べるのが好きだった。

午後一時からの事業部長会議で、出席者から「何か臭うね」と怪訝な顔をされ、二人で
ニヤニヤしたのも懐かしい思い出である。