設立25周年記念・第60回例会の報告
                    (文と写真)佐藤幹郎


 
9月30日 例会の翌日、鋸山美術館にて(金谷の魚である鰺のモニュメントの前で)

今回の例会は60回目を迎え、かつ第1回目が行われた1997年から数えて実に25年目となる記念すべきものとなった。そのため、石塚幹事長は早くから計画を進めていた。
しかし、大問題があった。会場をどこにするかである。
今までは、日帰りでは従業員クラブ、一泊泊りでは保養所がお決まりの場所であったが、次々と閉鎖になってしまった。
温泉、宴会付き、カラオケありで格安一泊の条件をみたすところなどそう簡単に見つかるはずもない。
そうこうしているうちに、大学時代の友人から千葉の貸別荘が良かったという情報を聞きつけた。
食事は自分で作らなければならないが、バーベキューができるテラスがあり、カラオケもあるという。
貸別荘といっても、千葉の田舎町の古民家を改造したもので、料金も安いというので、これに決めた。
場所は、千葉は浜金谷駅前、フェリーに乗って東京湾横断となった。

しかしここでまた問題が、、、 次々と参加者が減り8名となってしまった。
不参加の原因は、帯状疱疹、脊柱管狭窄症などの本人の健康問題に、奥様の健康問題(いわゆる老老介護と言ったら言い過ぎか、、、)。 
ついぞこの間まで、健康と元気を誇っていた我らの仲間も、本人だけではなく家族も含めて年齢相応の生活を考慮せざるを得ない状況に立ち至ったというべきか、、、嗚呼。

今まで、いろいろなところで支えていただいた賛助会員ともいうべき内藤さんと小沢さんに急遽声をかけ、何とか10名で開催にこぎ着けた、、、、。と思ったら、直前にまたリタイアが、、、
この記念すべき会が、過去最少の人数となってしまった。

9月29日集合場所へ
集合場所の京急線の京急久里浜駅へ午前11時頃、横浜駅から勇躍出発。空いている車内でゆっくりと新聞を読む。金沢八景から横須賀中央駅までぼんやりと外を眺める。かって京急沿線に住んでいたので、懐かしい気分がしてきた。そうこうしているうちに「次は県立大学」という車内アナウンスあり。
「あれ、こんな駅あったっけ?」などと考えているうちに、終点の浦賀に到着してしまった。
しまった!20年離れていてすっかり田舎者になってしまった。堀之内まで戻り、三崎行きに乗り換えて
12時少し前、京急久里浜駅に。集合場所のバス停を確認。集合時間の1時間以上前なので、誰も来ていないようだ。
さて、ちょうど昼だし飯でも食おうと、駅ビルの5階にある回転寿司へ。
「まだ時間はたっぷりあることだし、寿司をつまむ前にビールを一杯」と考え、瓶ビールと茶碗蒸し、あら汁を注文する。こちらの魂胆を読み取ったのか、カウンターの向こうにいる職人が
「お客さん、今日のおすすめの川海老の唐揚げはいかがですか?」
誘いにのって注文すると、値段の割に量もたっぷりな川海老登場。味付けが何ともビールにピッタリ。


 川海老の唐揚げ

ビール瓶はたちまち空となり、「待ち合わせ時間にまだ一時間以上ある」ということを理由に次は
日本酒へと進んでしまう。いい気持ちになったところで、申し訳程度に寿司を三っ四っつまみ、急ぎ
集合場所の西口のバス停へと降りた。

東京湾フェリーに乗船
集合時間が近づくと、早川さんを除くメンバーが三々五々集まってきた。東京湾フェリーの久里浜港乗船口行きのバスに乗り込む。
フェリーに乗り込むと、甲板が濡れていた。浜金谷はどうも雨らしい。


 フェリーに乗り込む面々

乗客数は驚くほど少なかった。
昔、横須賀に住んでいたとき、ほとんど毎週のようにこのフェリーに乗ってホームコースに通った。
朝の第一、第二便はほとんど満席で、ゴルフと釣り客が大半を占めていたものだ。

天候は良くなかったが、海は無風べた凪状態。
浜金谷港に接岸したときの軽いショックを感じるまで、まったく海の上にいる感覚がなく船旅が終わった。

フェリーではコロナ予防のためマスク着用が義務づけられていた。
船を下りるなり石塚さんが叫んだ。「みんなここからマスクを外して活動しよう」with コロナ!

四兵衛殿へチェックイン
フェリーから徒歩5分という貸別荘Shihe-don(四兵衛殿)に向かう。傘を差すほどではないが、小雨がパラついてきた。予め地図で調べてきたのだが、なかなか目的の家が見つけられない。地図上ではこの家は
どの道にも接しておらず、ほかの家の傍を通って玄関に到達するのではないかと想像していたが、まったく分からない。石塚さんが電話をかけまくってやっと近くの自動車修理工場の敷地を通り、その奥にある玄関に到達することができた。浜金谷駅からやって来た早川さんとも無事合流できた。


  県道から自動車修理工場への入口。この先に四兵衛殿の入り口はある

チェックイン後、係りの女性と、利用料、2人分のキャンセル代、BBQの食材費などなど清算を行う。
しかしなかなかかみ合わず小一時間も要してしまった。双方の主張に基本的に食い違いはないのだが、支払いが現金と銀行振込の二本立てになったため、この間の金のやり取りの取り扱い方法が異なり、計算そのものに間違いはないので、石塚さんも女性の主張に従うことで落着した(やはり男は女には弱い)

清算が終わり、係りの女性から利用上の注意事項を承る。貸別荘は食事の提供はないので、食材・食器は持ち込みで自分で行う。ルール通りゴミの分別もする。これらを怠り、使い放し汚し放しの状態で退去した場合は、予め納入した保証金5,000円也がペナルティとして返却されないきまりとなっている。

バーベキュー開始
場所はバーベキューを行うテラスに移り、鉄板や着火剤の使い方、炭火のおこし方などを教わる。
教わるのは幹事からバーベキュー係に「任命」された高橋、広瀬、進藤の諸氏である。


 炭火をおこす高橋さん

外は雨がかなり降ってきたが、このテラスは屋根があり、問題なくBBQが楽しめそうだ。 
炎が立っている間はダメ、炎が納まり炭がある程度赤くなってからと言われた。
そこまでくるのに少し時間はかかったが、何だか少年時代のキャンプの雰囲気を思い出した。

近くのコンビニに買い出しに行っていた早川組が焼酎やウイスキー、おつまみなどを抱えて戻ってきた。
あとは肉を焼くだけ、ここでまずは乾杯を行ってBBQパーティがスタートした。


  肉を焼く準備が整い、取りあえずまずは乾杯!乾杯!!



 炭おこしに奮闘するBBQ担当

着火材に点火してから約30分、やっと炭火が良い状態になってきた。
広瀬、進道の二人が大車輪で焼きに入った。


 どんどん焼け!焼け!!焼け!!


 牛、豚、鶏はすべて国産で一人前 1,750円

誰かが「買い出し組」に「野菜は買ってきたか?」と訊くも、「忘れた」との返事。
爺さんどもの食欲はすごく、焼くほうがなかなか追いつかない。
「このままでは肉が足りなくなるぞ」との心配の声が、、、
「今日はドタキャンが一人あったから、10人前を9人で食うから余裕はあるはず」とは幹事の声。
野菜はないが、小生が差し入れた大分のカボスの汁をふりかけ、食は進んで行く。
この貸別荘には生ビールのサーバがあり、7リットルが無料といううれしいサービスがある。


  今夜のご馳走 焼き肉+ウーロン割り焼酎+大分産カボス

焼き肉食材は大皿2枚に盛られ、1枚目を焼き終わる頃には、食べるスピードが落ちてきた。
「お~い、まだ5人分あるから頑張って食えよ」とBBQ係より声がかかる。
さっきは「足りないかもしれない」と言っていたのに、さすがに「爺さんたちの集団」ではある。

転倒事件が連続して発生!!
飲みかつ食い、色々な話題で座が盛り上がってきたとき、カメラを構えていた石塚さんが、突然後ろに倒れた。一同びっくり、周りの連中が抱え起こした。腕と胴で受け身をしたかたちになり、幸い後頭部などは打っていない模様で、本人は右腕をさすりながら、「大丈夫、大丈夫」言っている。

原因は下の椅子にある。背もたれのない不安定な椅子で、後ろに下ろうとして、後すざりしたら、筋力の衰えている老人は容易に倒れてしまう。
まだ「おれは年寄りではない」と思い込んでいるのだろうが、、、


  この椅子が原因の一つとも言えるが「老人姿勢」がやはり主因

ところが、その数分後、全く同じことが我が身に起きたというか、カメラでみんなの姿を納めようと、腰掛けたままで、少し後ろに下がろうとしたら、真後ろに倒れてしまった。 幸い尻から落ちたので、頭は打たずに済んだ。

後日、主治医に報告したら、「あなたはもう老人だ。筋力が衰えて老人姿勢というものになっている。
何かをしようとしたときは、近くにつかまるものがあるかどうかを先ず意識する、そして万が一倒れる
ような危険を感じたら、周りに助けてくれるひとが居るかどうかを意識して行動するように」
と助言された。嗚呼。

かくしてバーベキューパーティーは終わり、次のプログラムのため、17:30.母屋に移動する。

講演の時間
石塚さんから何か記念に講演をと頼まれたが、この面々の前で真面目顔で講演なぞやれるわけがない。
幸い、最近古い荷物の中から大分工場時代の古いビデオテープが見つかったので、デジタル化をしたものを
皆に見てもらうことにした。
我々のふるさと東芝が最も元気だった頃の、そして我々の仕事だった半導体事業が隆盛を極めた頃の映像である。昔懐かしいあの人この人の姿も見ることが出来ると考え、約1時間に編集したものをお目にかけた。


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このビデオの放映の後に、「死んだ後でも頭が上がらないひと」という話をさせてもらった。
今年、日展に見事入選の宿願を果たした小澤さんとの三八会の第四回作品展での「因縁話」である。


カラオケ

19:50カラオケを開始。
装置の使用方法も教わっておらず、一枚ペラの説明書をチラ読みしたが役に立ちそうもない。
いきなりリモコンを手に取り、カラオケ係を買って出る。
トップバッターは何時もながら石塚さん。選曲はフランク永井の「お前に」だ。
流れ出した伴奏は、珍しく女声との二重唱のカラオケで、石塚さんもちょっとビックリの感あり。
しかし、ちゃんと歌いきり、採点も85点とマズマズは流石である。


 カラオケ四人衆の熱唱

謎のリモコン、マイクの不調
石塚さんの曲が終わると、すぐに次のリクエストが入った。しかし、曲名の検索や曲名入力に戻す操作がわからない。適当にいじくり回しても、解決せず、大川さんとリモコン係を交代。
早く歌いたいと、面々がジリジリする中、ようやく数分後に2曲目が入った。


 動作不安定・不明な点が多いカラオケのリモコン

しかし、早川さんが十八番の「男の背中」を熱唱した後に事件は起こった。なんとカラオケ装置の「採点」は零点!
「いくらなんでもゼロはないだろ」との声もあがる。
その後も異常な採点結果は続き、最高でも45点どまり。
でも、そんなことにはお構いなし。リクエストはどんどん進み、次々と歌手が登場して自慢?の歌を披露
して行く。
次の表はこの夜歌われた22曲の曲目と歌い手であるが、8曲目まで「点数が出ない?何でだろう?」
の状態で進んでいった。

 1) お前に  石塚
 2) 男の背中  早川
 3) 長崎は今日も雨だった  佐藤
 4) 長崎の夜はむらさき  大川
 5) 夜霧よ今夜もありがとう  内藤
 6) 昭和ブルース  広瀬
 7) サロベツ原野  大川
 8) 東京の花売り娘  佐藤
 9) およげ!たいやきくん  進道
 10)宗右衛門町ブルース  内藤
 11)おまえに惚れた  石塚
 12)土佐恋慕情  早川
 13)冬列車  広瀬
 14)奥飛騨慕情  大川
 15)時代おくれ  佐藤
 16)喝采  内藤
 17)사랑해(サランヘ)  小澤
 18)恋唄綴り  早川
 19)さすらい  進道
 20)すきま風  広瀬
 21)千年の古都  大川
 22)小樽運河  佐藤


ここまできて「原因はマイクではないか」ということに気がつき、傍らにあった別のマイクを、そして別のマイク入力端子に差して、進藤さんが「たいやきくん」を歌うと、何と81点が出た!!
やれやれ、マイクの接触不良だったのか!
8人も歌ったところで、やっとカラオケ装置が普通の状態に「戻った」ようである。
それからも、どんどんリクエストが入り、いろんな歌がいろんな歌手に歌われるが、どうしても得点がトップバッター石塚さんの出した84点に及ばない。

カラオケで目立ったのは、広瀬さんだ。今まで三八会のカラオケには顔を出さずじまいだったのが、3曲も熱唱した。選曲もなかなか凝ったものだ。八十にしてどんな心境の変化があったのだろうか?

合計22曲を歌い終わったところで、21:30お開きとなった。

就寝
午後10時が近づくと、石塚幹事より「これから布団を敷きます」の号令がかかる。
カラオケ部屋となっていた広間のソファーを移動、その他隣接する二つの部屋に各自布団を敷く。
「夜中にトイレに起きたとき、寝ているひとを踏みつけないように」とトイレに続く経路を空けて布団を敷くように細かい指示も飛ぶ。

 
  午後10時就寝

「おれは毎日もう少し遅くまで起きている」と言う者もいたが、すぐに消灯し静かになった。


9月29日 起床
朝7時に起床、石塚さんの号令一下、布団を畳み枕と所定の棚に収納、取り外した敷布を畳んでまとめる。
思わず学生時代の合宿の気分を懐かしくも思い出した。


 作業を指揮する石塚幹事

布団を片付けた後、三つのグループに分かれた。
一つは留守番組。この貸別荘には従業員が常駐しないため空に出来ないからだ。もう一組は近所のコンビニに朝飯を買いに出る組。そして、やはり近所にあるファミレス「ガスト」で朝食をとる組である。

誰かが「昨夜のサーバにまだ生ビールが少し残っているぞ」の声あり。そのうちにコンビニに買い出しに行っていた連中が帰ってきた。
おにぎりを2個買ってきてもらった。生ビールを飲みながらおにぎりを食べた。
こんな朝飯は初めてである。

そのうちに「ガスト組」も帰ってきてた。チェックアウトの10時まで、どうと言うことのない雑談で過ごした。気の置けない仲間との雑談ほど楽しいものはない。
雑談にかまけて、忘れたことがある。起床時にラジオ体操をする予定だった。

貸別荘の社長がやって来て、「宿帳」と鍵を回収し、チェックを始めた。寝具の片付け、食器の洗浄、ゴミの分別などなど、チェックし「完璧ですね」のコメント。
前述のように、チェックに不合格の場合は、前納金として納めた5,000円が「罰金」として徴収され返ってこない。学生に貸して、散らかして汚し放題にされた経験からきたものだとか、、、
後日、前納金は無事振り込まれた。

貸別荘を後にするにあたって、入り口で集合写真を撮る。


 貸別荘「四兵衛殿」の入り口で

鋸山美術館
チェックアウト前の雑談で、今日は何処へ行くか、何をするかが話題になった。
浜金谷観光の目玉はなんと言っても「鋸山」だ。もちろん山頂近くまでロープウエィはあるが、そこから
起点となる日本寺の境内に行くまでが結構大変だし、さらにあちこち絶景ポイントを訪ねるには、もう
我々の足腰では無理だとの結論になった。

というわけで、貸別荘からすぐ近くの鋸山美術館へ行き、少し早い昼食で「金谷のうまい魚」を食べて
帰途のフェリーに乗ることが決定された。

鋸山美術館は2010年「石と芸術のまち金谷」の町おこしの一環としてオープンしたという。
こじんまりしているが、なかなか立派な建物である。おばちゃんが一人だけポツンと受付をしていた。
入館料を払い、一通り見学する。いろんなジャンルの作品が陳列されている。


 鋸山美術館その1


 鋸山美術館その2

一通り見終わって受付に戻ると、おばちゃんが「別館の鋸山資料館もありますが、ご覧になりますか?」
というので見ることにした。
敷地の奥の細い道を進むと、古い二階建ての石倉が建っていて、それが資料館だった。
「あなたの知らない鋸山の世界」と題して、鋸山の歴史や石の標本が展示されていた。
ほの暗い静かな倉の中で腰を下ろす。他に客もなく、何となくゆったりした気分になったのか、雑談に
花が咲く。


  資料館の入り口と内部


 美術館の中庭で 何故か目の前に彼岸花が

昼食
美術館の後は金谷港にもどり、ちょっと早いが昼食に美味しい地魚でも食ってから、フェリーで帰るという
算段だった。フェリー入り口にある回転寿司「舟主(ふなおさ)」に入る。


  回転寿司 船主

店に入ると、まだ11:30というのにほぼ満員だ。運良くボックス席が空いていて、一同そこへ収まる。
何を食おうか。店員のおすすめ「本日のおすすめ地魚盛り5種」を早速注文。
そして何をおいても外せない金谷名物の「黄金アジ」のフライを追加。釣り人の大半はこのアジを求めて
金谷にやってくるという。
さて飲み物は、、、とメニューで物色していたら、店員が
「房総ウイスキーのハイボールはいかがですか?」ときた。
一も二もなくこれにする。


 本日のおすすめ地魚盛り5種


 房総ウイスキーのハイボールに黄金アジのフライ

房総ウイスキーというのは初めて飲んだが、独特の風味が爽やかで素晴らしい。
機会があったら買ってじっくり味わってみたいと思った。

久里浜港行き13:15にて船上のひととなる。昨日と打って変わり、晴天だが少し波がある。


  久里浜港行きフェリーの船上にて

遠くに鋸山の絶景が広がっていた。突然、40年以上も前に、家内旅行で鋸山を訪れた記憶が蘇った。
まだ幼稚園児だった長男をつれて行った。その長男も、もう高校生と中学生の父親になった。
当時は東京湾はまだ公害の海で、色はどす黒く悪臭がしたっけ、、、いまはきれいな蒼い海。
時の流れは速い。

良き友に恵まれ、楽しき2日間に感謝しつつ帰途についた。

                                  おわり